Dr.EKO博士が明かす、内向的事業家のためのサバイバルガイド
― 医師から起業家への覚悟の道のり ―
「この変化、本当に私の成長につながるのでしょうか」
「営業や広報なんて、私にはできるはずがない」
多くの対人援助や医療従事の専門職が、副業、起業への一歩を踏み出せずにいます。
エリート街道を降りた日
ベテラン税理士から、衝撃的な気づきをいただきました。
「社長(代表)は営業ができること、広報活動が得意な人でないと続きません」
20年以上の医療経験はあります。整形外科医として手術室で技を磨き、患者さんと向き合うことは大の得意。でも、セミナーや講演後はすぐに帰宅したくなり、名刺交換に緊張し、重役との会食には及び腰になる。
典型的な「職人気質」の私には、営業というものが、まるで異物のように感じられていました。
この言葉を聞いた時、すでにエリート街道を降りた私の心が凍りついたのを覚えています。帰る道はありません。書類を提出した日から、私は「社長」なのです。事業を甘く見すぎていたのかもしれません。
幻想から現実へ
最初は、不思議なことに仕事が舞い込んできました。ビギナーズラックというのでしょうか。宣伝をしなくても収益が立っていました。
しかし、時間の経過は残酷でした。仕事の件数が右肩下がりになり、収入も同時に下がっていきました。そして気づけば、収入0円の日々が続くようになっていたのです。これまでの貯金を食い潰し、電気代も食費も、どん底まで節約しました。
職人たちの共通する痛み
地元で愛される安くて美味しい飲食店が、なぜ潰れてしまうのか。これまで倒産に追い込まれた飲食店のオーナーたちから、共通して聞いた言葉があります。
「メニューの値段を上げるくらいなら、店を閉めます」
この言葉に、私は深く共感しました。これは職人に共通するセリフなのです。技術を磨き、誠実にサービスを提供することは得意でも、その価値を適切な対価に結びつけることが、私たち職人には難しいのです。
資本主義と倫理の共存という挑戦
「収入は天井がない」というセリフを聞いた時、私の中でようやく本当の意味での起業が始まりました。
資本主義と倫理観の共存―これは倫理資本主義とも呼べる領域です。めちゃくちゃ賢くやらないとできない。でも、だからこそやりがいがあるのです。
そして、私には確信があります。この難しいバランスを取れるのは、むしろ対人援助や医療の専門職の皆さんだからこそなのです。なぜなら、私たちには人の痛みに寄り添い、かつ専門性を持って解決に導く経験があるからです。倫理感も道徳心も、デフォルト設定です。
安全な起業への道筋
「起業」と聞くと、いきなり会社を設立するイメージをお持ちの方も多いかもしれません。でも、そんな必要はありません。
私がお勧めしているのは、まずは副業からのスタートです。現在の仕事を続けながら、少しずつ市場の反応を確認していきましょう。年収300万円を超えてきたら個人事業主としての登録を検討し、800万円から1,000万円を超えてから法人化を考えればいいのです。
法人化も、必ずしも大きな組織である必要はありません。1人社長のマイクロ法人でも、十分に機能します。必要な業務は全て業務提携という形で進められます。
テクノロジーと人の絆
AIと友達になることで、私たちにできることは大きく広がります。多くの業務を効率化でき、以前なら考えられなかったような働き方も可能になってきました。
しかし、人との大切な絆は、テクノロジーでは決して代替できません。
例えば、私の税理士の先生のような、絶対的な信頼感や安心感を与えてくれる存在。何かあった時に真っ先に相談できる、そんな心強い味方です。
重要な商談やミーティングの際のお気に入りのカフェやレストラン。言葉を交わさなくても「今日は大切な日なんですね」と察してくださるオーナーの優しい気遣い。さりげなく空間を整え、心地よい雰囲気を作ってくださる。そんな暖かな配慮が、その日の大切な会話の背景を支えてくれるのです。
社内の会議でさえ、ちょっとしたデリシャスなサンドイッチと香り高いコーヒーがあれば、自然と表情がほころびます。緊張がほぐれ、より建設的な対話が生まれる。そんな温かい雰囲気というのも、テクノロジーだけでは決して作り出せないものです。
これらの人と人との繋がりが織りなす温もりは、デジタル化が進む時代だからこそ、より一層貴重になっていくのではないでしょうか。
Dr.EKO博士式デジタル活用術
1. デジタルを介した価値提供
- オンラインプラットフォームを活用し、対面営業なしに専門性を届けます
- ブログやSNSを通じて、自然な形で存在感を示します
- デジタルツールで効率的なコミュニケーションを実現しています
2. 適切な距離感の維持
- オンラインサロンで密なコミュニティを作りながら、心地よい物理的な距離を保ちます
- ビデオ会議システムを活用し、お互いの時間と空間を尊重します
- 非同期コミュニケーションで、質の高いサポートと生活バランスを両立しています
Dr.EKO博士からのメッセージ
変化は脅威ではありません。
デジタルの力を借りることで、
私たち内向的な専門家にも、
新しい可能性が開かれています。
AIとは友達になれたらもっと良いと思います。
恐れず、誇りを持って。一歩ずつ。
あなたのペースで。
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